センター数1Aと中学での数学

ここ数年塾にも中学・高校が公立の生徒が増えてきた。その彼らにセンター試験の数1Aをやらせて見ると、私立生には考えられなかった欠点が目立つ。単刀直入に言えば中学の分野が終わっていないことで、それが高校の授業にも、センター数1Aに大きな影を投げかけている。まず中学固有の数学で大きな範囲は図形である。相似・円・三平方の分野が私立中学に較べて格段に弱い。それはこの分野を「流した」といっても差し支えないほどで、問題の演習は皆無と行ってよい。ましてその範囲の行間にある、面積比・方べき・チェバなどは、受験校と言われる私立中学が高校のことを見据えてしきりに自主教材を作っているのに反し、公立ではほとんど触れられてさえいない。それかあらぬか、公立高校で使っている高1の教科書は中学と見まがう易しい内容が増えてきた。内心・外心・重心などはもはや高校の分野で、私立校で多数採用されている「体系数学」と真逆の道を歩いている。センター数学はこれらの2大潮流がであう合戦場である。果たして公立の出遅れは救えるのか。本年のセンター試験を塾で公立中学出身の高1生にやらせたら100点満点の7点と20点だった。試験の後に訂正の時間を与えたが、中学での不備が雪崩のように出てきて一進一退である。つまりよほどの才能に恵まれていない限り、公立中学は私立生に較べてハンディキャップを負っている。そしてそのハンディキャップが公立高校の授業を遅らせている原因だ。勿論このことは私立中学の成績下位のグループにも同じことが起こっている。br 私たち親の世代は、だいたいが公立志向で下位の私立に行くくらいなら中堅でも公立を選んだ。しかし頭の良い子が私立中学を受験して去って行く今の風潮では、公立中学は風下に置かれ、やりにくい授業を任されている。それに同情はするが、このままでは将来にわたってその影響が出るのを危惧するのである。マスコミはこの辺りをきれい事ですました。かっては中学受験を椿事のようにとらえて「詰め込み」と揶揄した。中学で学ぶべきを高校に先送りしたら、大学受験には高校で4年間の準備が必要になる。br 公立小学校・中学校の先生方は、塾と同じように中学受験の必須事項を取り入れてほしい。それは詰め込みなどではなく、脳の活性化と近い将来子供達に必要な知識だから。